持ち戻り 削減 再配達対策 配達日AIコールくん

持ち戻りを減らす方法
配送会社ができる不在・再配達対策7つと、事前連絡をAI電話で自動化する手順

2026.09.18|配達日AIコールくん|約14分|

この記事は、配送会社や宅配の委託事業者、共同配送を管理する方、EC物流の責任者に向けて書いています。持ち戻りがなぜ減らないのか、配送会社側で打てる対策を7つ並べて比較し、そのうち最も費用対効果の高い「事前連絡」を人手を増やさずに全件へ打つ方法を、私たちRabona AIが運用している配達日AIコールくんの実例を交えて説明します。

結論。持ち戻りの主因は「受け手が配達を知らない」ことです。国土交通省の消費者アンケートでは、再配達理由の約20%が「配達に来ることを知らなかった」、約60%が「事前に通知があれば予定を変えた」と答えています。したがって最も効くのは、配達前の事前連絡と置き配の事前合意です。7つの対策のうち即効性と費用対効果が高いのは前日から当日朝の在宅確認連絡で、AI架電なら人手を増やさずに全件へ打てます。

持ち戻りとは何か? 再配達と何が違い、なぜコストになるのか?

持ち戻りとは、配達先を訪問したものの受け取ってもらえず、荷物を車両や営業所に戻す行為を指します。再配達は、その荷物をもう一度届けに行く行為です。つまり持ち戻りが1件起きるたびに、同じ荷物に対して訪問が2回、場合によっては3回発生します。

コストは三つの層で積み上がります。第一にドライバーの時間で、訪問・不在票の投函・持ち戻り処理・再訪問がそのまま労働時間になります。第二に燃料と車両の積載枠で、持ち戻った荷物は翌日の積載を圧迫します。第三に輸送能力そのものです。NX総合研究所の試算では、対策を講じなければ2030年に全国の輸送能力の34.1%が不足するとされており、二度運ぶ余裕は業界全体で消えつつあります。

再配達率はいまどのくらいなのか?

国土交通省のサンプル調査では、2026年4月時点の宅配便の再配達率は7.6%です。荷物100個のうち約8個が二度運ばれている計算で、月間1万個を扱う拠点なら約760個分の訪問が毎月無駄になっています。

なぜ「受け手が知らない」ことが主因なのか?

同じ国土交通省が令和5年度に行った消費者アンケートでは、再配達になった理由として「配達に来ることを知らなかった」が約20%を占め、「事前に通知があれば予定を変えた」という回答が約60%にのぼりました。受け手の多くは受け取る意思があり、単に知らなかっただけです。この構造が、後述する事前連絡が効く根拠になります。

持ち戻りはなぜ起きるのか? 5つの原因

  1. 配達予定を受け手が知らない。通販側の出荷通知が埋もれる、代理購入で本人に伝わっていない、法人宛で担当者が不在、といったケースが該当します。
  2. 時間帯指定が生活実態と合っていない。午前指定で外出、夜間指定なのに早く着く、といったずれです。
  3. 置き配の可否が確認できていない。置き配で済む荷物でも、事前の合意がないためドライバーが持ち戻ります。
  4. 連絡手段が一方通行になっている。SMSやメールは届いても、在宅か不在かの答えが返ってきません。
  5. 再配達の受付が営業時間に縛られている。不在票を見た受け手が夜に電話しても繋がらず、翌日以降にずれ込みます。

原因1から4は配達前に、原因5は配達後に発生します。対策も「配達前に持ち戻りを起こさない」ものと「持ち戻った後に最短で届ける」ものに分けて考えると、優先順位が付けやすくなります。

配送会社ができる持ち戻り対策7つ、それぞれ何が違うのか?

代表的な7つの対策を、効果の出やすさ、コスト、導入の速さの3軸で並べます。評価は私たちRabona AIが配送会社と設置工事会社の運用で見てきた感触にもとづく目安です。

対策効くタイミング効果の出やすさコスト導入の速さ
1. 置き配の事前合意配達前高い(合意が取れた荷物は不在でも完了)低い速い
2. 宅配ボックス・受取ロッカーの案内配達前中(設置状況に依存)中〜高(設備)遅い
3. 配達予定通知(メール・SMS・アプリ)配達前中(読まれれば効く)低い速い
4. 前日〜当日朝の在宅確認電話配達前高い(返答がその場で取れる)人手なら高い、AIなら低〜中速い
5. 時間帯指定の見直し配達前低い
6. 在宅予測による配達順の最適化配達前中〜高(データ量に依存)高い遅い
7. 再配達受付の自動化(受電側)配達後中(持ち戻り後の回復が速くなる)低〜中速い

対策1と4はなぜ組み合わせると強いのか?

在宅確認の電話の中で置き配の可否も一緒に聞けば、「在宅なら手渡し、不在でも置き配可なら完了」という二つの出口が同時に確保できます。1本の電話で対策1と4を同時に実行できるため、私たちはこの二つをひとまとめに「事前連絡」と呼んでいます。

対策6の在宅予測はどこまで進んでいるのか?

佐川急便とJDSCの取り組みでは、過去の配達データから在宅確率を予測して配達順を組むことで、不在配送を約20%減らしたと公表されています。大手のように配達履歴が大量にある事業者には有効ですが、中小の配送会社や委託事業者がゼロから同じ仕組みを持つのは現実的ではありません。

対策7の再配達受付は誰が担うべきか?

不在票を見た受け手からの電話は夜間や早朝に集中します。ドライバーが運転中に出られず取りこぼす拠点では、受電をAIに任せて再配達希望日時を聞き取る仕組みが有効です。こちらは架電ではなく受電の領域なので、姉妹サービスのAIコールセンターが担当します。ヤマト運輸が集荷依頼の受付にAIオペレータを導入しているように、受電側の自動化は大手で先行しています。

なぜ電話の事前連絡が今も効くのか?

SMSやアプリ通知が普及した今でも、電話を勧める理由は「答えが返ってくる」からです。通知は一方通行で、在宅か不在か、置き配してよいかという配送側が知りたい情報は戻ってきません。電話なら、その場で返答を取り、合意まで一度に済みます。

知らない番号に出てもらうにはどうすればよいのか?

フォレスタの2024年調査(n=500)では、知らない番号からの電話に出ない人が87.8%にのぼります。対策は三つあります。第一に、発信番号を固定し、配達予定通知のSMSにその番号を明記して「この番号から確認の電話をします」と予告すること。第二に、冒頭で社名と用件を短く名乗り、聞くことを置き配可否と希望時間帯の二点に絞ること。第三に、出なければ留守電に同じ内容を残し、時間帯を変えて再コールすることです。この三つを組み合わせると、到達率は電話単独よりも大きく上がります。

受け手にとって電話は負担ではないのか?

用件が短ければ、通話は30秒程度で終わります。受け手の側から見れば、不在票を見てから再配達を申し込む手間が消えるので、むしろ負担は減ります。私たちが運用で見ている限り、名乗りと用件が明確な事前連絡が迷惑がられることはほとんどありません。

事前連絡を人がやると、現場で何が起きるのか?

多くの配送会社では、この事前連絡をドライバー自身が出発前や移動中に行っています。すると三つの問題が起きます。

事務スタッフに任せる場合も、コールセンタースタッフの募集時平均時給は1,484円(リクルート、2026年2月度・三大都市圏)で、繁忙期だけ人を増やすことはできません。全件に事前連絡を打つには、件数が増えても止まらない仕組みが必要になります。

事前連絡をAI架電で自動化するには、どのような手順を踏むのか?

私たちRabona AIの配達日AIコールくんは、配達日・設置日・納期の確認電話をAIが自動で架電するサービスです。運用の流れは次の7ステップです。

  1. 配達リストの取り込み。配送管理システムから出力したCSV(氏名、電話番号、配達予定日、時間帯)をアップロードします。システム改修は不要です。
  2. 一斉架電。前日の夕方や当日の朝など、指定した時間帯にAIが全件へ発信します。件数が数百件でも同時に進みます。
  3. 不在なら時間帯を変えて再コール。出なかった相手には、設定した回数まで時間帯をずらしてかけ直します。
  4. 留守電。それでも繋がらなければ、配達予定と折り返し先を留守番電話に残します。
  5. 置き配可否と希望時間帯のヒアリング。繋がった相手には、置き配でよいか、希望の時間帯はあるかを聞き取ります。「玄関前に置いて」「午後なら在宅」といった自由な返答をそのまま理解します。
  6. 結果の通知。応答結果を「在宅」「置き配可」「時間帯変更」「不通」などのラベルで整理し、LINE WORKS、Slack、Chatwork、メールに通知します。
  7. 配送管理への反映。通知を見た配車担当やドライバーが、配達順と置き配指示を更新します。

人が関わるのは、最初のリスト出力と、最後の配達順への反映だけです。電話をかける工程と記録する工程が丸ごとAIに移るため、ドライバーは出発前の電話から解放されます。テレアポや営業電話の自動化と同じ考え方で、業務全体のどこを機械に渡すかはテレアポ自動化の解説にも整理しています。

在宅確認の電話を成立させる条件は何か?

在宅確認は、聞き方を誤ると答えが取れません。私たちが運用で確認している条件は四つです。名乗りと用件を10秒以内に言い切ること、質問を「置き配でよいか」「希望時間帯はあるか」の二点に絞ること、相手の言い直しや割り込みに追従できる会話品質があること、そして「今後の連絡は不要」と言われた番号を対象から外すことです。詳しくは配達前の在宅確認電話の設計で解説しています。

導入事例: 株式会社ZAPでは何が変わったのか?

大阪と埼玉に拠点を持つ配送会社の株式会社ZAP様では、これまでドライバーが手作業で行っていた配送日の調整電話を、配達日AIコールくんによるAI架電へ移行しました。2026年9月に大阪拠点で先行して運用を開始し、置き配の可否と希望日の聞き取り結果はChatworkに通知され、配車担当がその場で確認できるようになっています。運用の型が固まった段階で埼玉拠点へ展開する計画です。

設置工事の領域では、株式会社宝宮設備様が訪問日の前日確認をAIに切り替えています。工事の前日確認は配達の在宅確認と構造が同じで、こちらの詳細は宝宮設備様の導入事例訪問日の前日確認をAIで行う方法にまとめています。

持ち戻り対策のKPIはどう設計し、費用はどう考えればよいのか?

追うべき4つの指標は何か?

指標計算式役割
持ち戻り率持ち戻り件数 ÷ 配達件数最終成果
再配達率再配達件数 ÷ 配達件数最終成果
連絡到達率応答または留守電まで到達した件数 ÷ 架電件数先行指標(架電時間帯・名乗りの改善に使う)
置き配合意率置き配可と回答した件数 ÷ 応答件数先行指標(説明の仕方の改善に使う)

事前連絡を導入する拠点と導入しない拠点で分けて計測すると、効果が数字で切り分けられます。配達日AIコールくんの機能一覧にある通り、通話ごとの結果がラベルで残るため、この4指標を週次で集計できます。

費用はどう比較すればよいのか?

料金は月額基本料と架電量に応じた従量で、席数課金はありません。比較するときは、月間の架電件数と平均通話時間から、通話料込みの1コール単価に換算してください。人が架電する場合の目安は、時給1,484円に月160時間を掛けた1人あたり月額約24万円で、繁忙期に合わせて増員することはできません。AIは件数が増えても単価が上がりにくく、年末や引越しシーズンの一斉架電に向きます。効果側は、持ち戻り1件あたりの再配達コストに削減件数を掛けて見積もれば、投資対効果を月次で追えます。

個人情報の扱いはどうなるのか?

配達リストには氏名と電話番号が含まれるため、個人情報保護委員会のガイドラインに沿った委託契約と、通話録音の保存期間の取り決めが必要です。私たちRabona AIでは、架電に必要な項目だけを取り込み、利用目的を配達連絡に限定する運用を標準にしています。

よくある質問

Q. 持ち戻りと再配達は何が違うのですか?

持ち戻りは、配達に行ったが受け取ってもらえず荷物を営業所や車両に戻す行為そのものを指し、再配達はその荷物をもう一度届けに行く行為を指します。つまり持ち戻りが起きた分だけ再配達が発生し、ドライバーの時間・燃料・車両の積載枠が二重に使われます。国土交通省の調査では宅配便の再配達率は2026年4月時点で7.6%で、荷物100個のうち約8個が二度運ばれている計算です。削減の順番としては、まず持ち戻りを起こさない(在宅確認・置き配合意)、次に持ち戻った荷物を最短で届ける(再配達受付の自動化)の二段構えで考えると、対策の優先順位が整理しやすくなります。

Q. 配送会社が最初に取り組むべき持ち戻り対策はどれですか?

前日から当日朝にかけての在宅確認と置き配可否の事前連絡です。理由は二つあります。一つは、国土交通省の消費者アンケートで再配達理由の約20%が「配達に来ることを知らなかった」、約60%が「事前に通知があれば予定を変えた」と回答しており、連絡そのものに効果があること。もう一つは、宅配ボックスや在宅予測と違って設備投資やデータ整備が不要で、リストがあれば翌日から始められることです。人手で全件に電話するのは現実的ではないため、私たちRabona AIでは配達日AIコールくんのようなAI架電で全件に打ち、応答結果だけを人が見る運用を勧めています。

Q. SMSやメールの配達予定通知だけでは不十分なのですか?

通知として有効ですが、届いても読まれない、読まれても返答がない、という二つの抜けがあります。通知は一方通行なので「在宅か不在か」「置き配してよいか」という配送側が知りたい答えが返ってきません。電話は相手の返答をその場で取れる唯一の手段で、置き配の合意や希望時間帯の聞き取りまで一度に済みます。一方で、知らない番号からの電話には出ない人が87.8%というフォレスタの2024年調査もあるため、電話単独でも取りこぼしは出ます。実務上は、SMS通知で予告し、返答のない相手に電話で在宅確認をかけ、電話に出なければ留守電を残す、という組み合わせが最も到達率が高くなります。

Q. 在宅確認の電話をAIに任せると、受け手に失礼になりませんか?

冒頭で社名と用件を短く名乗り、聞くことを「置き配でよいか」「希望の時間帯」の二点に絞れば、受け手の負担は30秒程度で済みます。私たちRabona AIの配達日AIコールくんは、相手の発話をその場で理解して応答するリアルタイム会話型なので、「午前は出かけるので午後にして」「玄関前に置いてほしい」といった自由な返答も聞き取れます。人が繁忙期にかけ急いで用件を言い切れない電話より、毎回同じ品質で丁寧に話すAIのほうが印象が安定するという声もあります。AIかどうかを聞かれれば正直に答え、「今後の連絡は不要」と言われればその番号を対象から外す設計にしており、迷惑電話と受け取られない運用を前提にしています。

Q. 費用はどのように考えればよいですか?

月額基本料と架電量に応じた従量の組み合わせで、席数課金はありません。比較のときは、月間の架電件数と平均通話時間から、通話料込みの1コール単価に換算してください。人が架電する場合の目安は、コールセンタースタッフの募集時平均時給1,484円(リクルート、2026年2月度・三大都市圏)に月160時間を掛けた1人あたり月額約24万円で、しかも繁忙期だけ人を増やすことはできません。AIは件数が増えても単価が上がりにくく、年末や引越しシーズンの一斉架電に向きます。効果側は、持ち戻り1件あたりの再配達コスト(ドライバー時間・燃料)に削減件数を掛けて見積もると、投資対効果を月次で追えます。

Q. 持ち戻り率はどのKPIで管理すればよいですか?

四つの指標を、事前連絡の対象拠点と非対象拠点で分けて追うことを勧めます。第一に持ち戻り率(持ち戻り件数÷配達件数)、第二に再配達率(再配達件数÷配達件数)で、これが最終的な成果指標です。第三に連絡到達率(在宅確認で応答または留守電まで到達した件数÷架電件数)、第四に置き配合意率(置き配可と回答した件数÷応答件数)で、この二つが先行指標になります。到達率が低ければ架電時間帯や名乗りの文言を、合意率が低ければ置き配の説明の仕方を直します。配達日AIコールくんでは通話ごとの結果がラベルで残るため、この四指標を週次で集計できます。

Q. 導入までにどのくらいかかりますか? 配送管理システムの改修は必要ですか?

配達リストをCSVで取り込めれば、システム改修なしで始められます。標準的には、ヒアリングと会話内容の設計に数日、テスト架電と文言の調整に数日で、1週間から2週間程度で本番の架電を開始します。まずは1拠点・1エリアで始め、持ち戻り率の変化を見てから他拠点へ広げる進め方が失敗しにくく、株式会社ZAP様も大阪拠点で先行して運用を始めてから埼玉へ展開しています。通知先はLINE WORKS、Slack、Chatwork、メールから選べるので、現場が今使っている連絡手段に結果を流すだけで運用が回ります。詳しい進め方は配達日AIコールくんのページか、資料ダウンロードでご確認ください。

更新履歴: 2026-09-18 初版公開。関連する製品の全体像は製品一覧をご覧ください。

監修

鳥邉 翔Kakeru Toribe

株式会社Rabona AI 代表取締役

東京大学を卒業後、同大学院農学生命科学研究科を修了。国内トップのCRM/MAプラットフォームの開発に従事し、CRM・MA機能をフルスタックで構築。独立後はLLM・音声AIの開発研究に携わり、株式会社Rabona AIを創業。音声AIの研究開発を牽引している。(会社概要

配達日AIコールくんは、配達日・設置日・納期の確認電話をAIが自動で架電し、置き配可否や希望時間帯の聞き取り結果を現場の連絡ツールに通知するサービスです。
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